Doll‥ ~愛を知るとき
立ち上がって、辺りを見回した。
知った人がいないことに、ホッと息を吐く。
肌寒さを感じながら、あたしは公園の出口へと急いだ。
『愛波ちゃん』が『愛波』になっていた。
そのことに嬉しさを感じている。
また、樹に会える。
そのことに喜びを感じてる。
だけど‥
─ 来るよ。愛波は ─
樹の言葉を思い出して、見抜かれているココロに不安も感じていた。
─ どうしよう‥
いつバレるか分からない。
間違いを犯しちゃいけない。
引き止める声は確かに胸にあるのに‥。
あたしは車に乗り、町にある診療所へと向かっていた。