Doll‥ ~愛を知るとき
樹が懐石料理店で働いていた頃、彼は山岡さんと よく話していた。
車の話題で意気投合してることは、あたしも知っていた。
「山岡さんと、今も付き合いあるの?」
「たまにな。オレが働いてる店にカノジョ連れて来てるよ。」
「そうなんだ‥。」
お店の誰かと樹が繋がっていたなんて考えもしなかった。
だから、とても驚いた。
樹は、話を逸らせるように
「いい天気だよな。」
って、言った。
「うん。」
あたしも、それ以上には何も訊かなかった。
今は何もかもを忘れて、樹と過ごしていたい。
そんな気持ちだった。