Doll‥ ~愛を知るとき
「けど、もう何も我慢しなくていい。オレに任せてれば‥。愛翔くんに会えない期間だけ、耐えなきゃだけどさ。」
樹は そう言ったあと、クスッと笑った。
「なに‥?」
「オレも感情の抑制、出来てねーなって思ってさ。愛波を浩也さんから奪い取ろうとしてることには、変わりないからな。」
「でも‥、樹は、あたしを助けてくれるんでしょ?」
「そう。でも、それだって愛波や愛翔くんの為であると同時に、オレ自身の為なんだ。だから、利用するなんて思うなよ。」
「うん。」
「場合に寄っちゃ、モラルなんてあって無いようなものだって思う。一度きりの人生だから後悔したくねーじゃん。だから、オレは愛波を奪う。愛波を幸せにする。それだけだよ。」
「うん。」
グラスに唇を着けて、樹に頷いている。
もう、涙は止まっていた。
柔らかく暖かい感情が胸に押し寄せていた。