Doll‥ ~愛を知るとき


未来都市のような工業地帯の灯りが、煌々と闇の中に浮かんでいる。

流れる夜景を眺めて、切ないような幸せなような複雑な気持ちになっていた。


愛翔のことを想う度に、隠れていた不安が顔を覗かせる。

安定しない情緒に情けなくなった。


「愛波、一人で留守番出来るよな?」


不意に、樹が訊いた。


「なんで?」


彼を見つめて、また不安になる。


「家に帰ったらさ、オレ、話し合って来るから。」

「あの人と‥?」


浩也の名前を口にしたくない。

樹の前で、彼の名を呼びたくなかった。


「閉店の時間も近いし、店が終わったあとなら話せるだろうしな。それに、ちゃんとケジメつけなきゃだろ。」


分かってる‥

先延ばしにすることじゃないって‥

でも‥


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