Doll‥ ~愛を知るとき
キュンと熱くなる胸。
答えることを躊躇っていた。
「な、愛波‥。」
突然、真剣な表情になった樹に戸惑いを覚えている。
無言のまま小首を傾げて彼を見つめた。
「今だけでも不安を取り除きたいって気持ちは分かる。けど、一時的に忘れることが出来たって意味ねーだろ。」
─ 樹の人形になりたい ─
そう言った あたしのココロの中を、樹は ちゃんと見抜いていた。
そのことを知って切なくなった。
「うん‥、だけど‥、分かってるけど‥苦しいの‥。怖くてたまらないの‥。」
一時的に何もかもを忘れる為に、抱かれることを望んでる。
樹の腕に抱かれて、壊れたいと願っている。
「愛波、心配するなよ‥。」
「ね、樹、怖いよ‥。朝になるのが怖い‥。怖いの‥。」
抱きしめられた腕の中で、あたしは泣いた。