Doll‥ ~愛を知るとき
静まり返った空間に、あたしの啜り泣く声だけが響いていた。
逃げ道を樹に求めてばかり。
強くいられない自分に遣り切れなくなっていた。
もし、願いが叶うなら‥
ねぇ、神様‥
あたしから、樹を奪わないでください‥
あたしから、愛翔を奪わないでください‥
他は何もいらない‥
どんな贅沢もいらないから‥
「離れたくないよ‥。怖いよ‥。樹‥。」
「愛波。」
優しい声。
樹が あたしを呼んだ。