Doll‥ ~愛を知るとき
「さっき、kissした時、愛波は何を感じた?」
あたしの髪を撫でながら、樹は訊いた。
「愛‥。」
確認するように、あたしは答えた。
「素直に愛を感じたよな?」
「うん‥。」
「じゃ、抱かれることを望んでる気持ちも、それと同じか?」
「え‥?」
「現実から目を逸らす為なら、オレは抱けない。そんなことしたって、愛波が苦しくなるだけじゃん。」
「だって‥。」
「いい?ココロが何を望んでるかで、求めるモノの形は変わる。同じことしててもさ、同じものじゃなくなるんだ。分かる?」
今の状態で、それは正論なんだと思った。
愛を求めるよりも、現実から逃げたい気持ちの方が強かったから‥。
小さく頷くあたしに 優しく kissをして、樹は体を起こすと、リモコンで部屋の照明を点けた。