Doll‥ ~愛を知るとき
暴力で従えて、あたしから人格を取り上げようとする。
人間の皮を被った鬼畜としか思えなかった。
「俺に逆らうな!このボケッ!」
壁際に倒れたあたしの顔を、浩也が強く蹴り上げた。
反動で頭を壁に激しく打ち付けた。
首から上を激痛が走る。
泣き声も叫び声も出ない。
ダラダラと流れる鼻血を左手で押さえて、ショックで気が動転したまま、蹲(ウズクマ)っていた。
浩也は、あたしの髪を掴んで、投げるように頭を壁に打ち付けた。
遠退く意識の中
──ガシャン
そんな音が微かに響いて
「愛波‥。」
朦朧としたまま、あたしは樹の腕の中にいた。