Doll‥ ~愛を知るとき
四月下旬の今、きっと外は夜風が冷たい。
クローゼットを開けて中からハーフケットを取り出し、腕に抱いた愛翔の小さな体を覆った。
そして、バッグを持った。
きっと、浩也は、樹を恐れている。
寝室には追って来なかった。
「あーくん、行こうね‥。」
愛翔は腕の中で眠っていた。
その寝顔に込み上げる愛しさを感じながら、廊下へと進んだ時
「エナ。」
浩也は、あたしを呼び止めた。
振り向いたあたしの瞳に、泣いている浩也が映っていた。