Doll‥ ~愛を知るとき
いつの間にか、ウトウト眠っていたみたい。
「愛波、起きて。」
樹の手が頬に触れて、目が覚めた。
「ん‥、ごめん。寝ちゃってたね。」
腕の中で熟睡している愛翔を起こしてしまわないよう抱き直して、あたしは車を降りた。
目の前には自販機。
「ここ‥、オバサンの店‥。」
「そうだよ。」
シャッターの降りた商店は、二階が住居になっている。
裏口へと回って、樹はインターホンを押した。
ほどなくして、中からドアが開いた。
「お帰りなさい。」
ニッコリ笑って、歌穂が顔を覗かせた。