Doll‥ ~愛を知るとき
─ 愛波の意識が戻ったら、警察に行くよ ─
樹は、歌穂に約束していた。
だけど、意識を取り戻したあたしが記憶を失くしていると知って、彼は全てから切り離そうと考えた。
警察が樹の話を、どこまで信用するか分からない。
例えば、夫である浩也が狡猾さを剥き出して、作り話をすれば‥。
記憶を無くしたあたしを、浩也の元に戻す訳にはいかない。
それが樹の判断だった。
「歌穂ちゃんには迷惑を掛けることになったけど‥、他に、愛波を守る方法を思い付かなかった。」
愛翔のことも気になったけど、どうしようもなかったって言った。
「愛波を守ることしか、オレには出来なかった‥。」
憂いを含んだ声で、樹は話していた。