Doll‥ ~愛を知るとき


─ 愛波の意識が戻ったら、警察に行くよ ─


樹は、歌穂に約束していた。

だけど、意識を取り戻したあたしが記憶を失くしていると知って、彼は全てから切り離そうと考えた。


警察が樹の話を、どこまで信用するか分からない。

例えば、夫である浩也が狡猾さを剥き出して、作り話をすれば‥。


記憶を無くしたあたしを、浩也の元に戻す訳にはいかない。

それが樹の判断だった。


「歌穂ちゃんには迷惑を掛けることになったけど‥、他に、愛波を守る方法を思い付かなかった。」


愛翔のことも気になったけど、どうしようもなかったって言った。


「愛波を守ることしか、オレには出来なかった‥。」


憂いを含んだ声で、樹は話していた。


< 602 / 666 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop