Doll‥ ~愛を知るとき
†21 哀愁


「オバサン、いってきま~す。」

「ばぁちゃん、バイバイ。」

「はい、いってらっしゃい。」


住み込みで働ける場所が見付かるまでの間、歌穂達の家に、お世話になるつもりだった。

だけど、一人暮らしの玲央の祖母が一緒に住もうと言ってくれた。

その好意に甘えて、貯金が貯まるまで居候させて貰うことにしたんだ。


自転車は、リサイクルショップで買った。

荷台に付けたチャイルドシートに愛翔を乗せて、汗を掻きながら自転車をこぐ。


「今日は、お仕事終わったら病院だからね。」

「うんっ♪あーくんもいく!」


樹との別れから、三ヶ月が経っていた。


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