Doll‥ ~愛を知るとき


「お義母さん‥。」


─ 愛翔を奪いに来たの‥?


咄嗟に、そう思った。

愛翔を抱っこしている腕に、無意識にギュッと力を込めていた。

だけど

「うわ!ばーばや!」

声を弾ませる愛翔を一瞥すると、義母はバッグから一枚の紙を取り出した。

不思議に思いながら、あたしは、その一連の動作を見ていた。

テーブルに広げられた紙には【離婚届】と、印字しているのが見えた。


「浩也ね、朝美さんと結婚したいって言うのよ。だから、エナさん、これにサインしてちょうだいね。」


愛翔に笑い掛けることもなく義母は冷たい声で、そう告げた。


 
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