Doll‥ ~愛を知るとき
「おはよう‥ございます。」
ベランダから声を掛けられるなんて思ってもみなかった。
だから、とてもビックリした。
綺麗にお化粧をしている顔を仕切りから覗かせて、彼女は訊いた。
「桜井さん、明日は忙しい?」
樹の名字で呼ばれると、胸がくすぐったい。
「明日‥ですか?」
「うち、引っ越して来たばかりだから、この町のこと何も知らなくて‥。明日、お昼からでいいの。案内して貰えないかしら?」
「案内‥?」
─ どうしよう‥