触れる体温
ただの、司書教諭と科目教諭の関係。社会科の司書教諭と英語科の教諭という、ただの同僚。私と金沢先生の間にあるのはそれだけだ。
でも…
「谷川先生、いつもありがとう。助かる。手、出して。」
帰り際にいつも、飴ちゃんをくれる。生徒に見つかるとまずいでしょ?って、ぎゅっと握らせる。
「飴ちゃんって、意外。」
初めてもらったとき、私はクスクス笑いながら、金沢先生にそう言った。
「なんかね、谷川先生にもらわれてくのは、飴ちゃんって言いたくなるんだ。」
「なんですか、それ。」
分かるような、分からないような、そんなことをたまに言う。でもなんだか少し、嬉しくて、気がつくと、ほんの少しそれを待つ自分がいた。
一瞬だけ触れる、ごつごつの手のひら。他の人とはちょっと違う渡し方。
でも…
「谷川先生、いつもありがとう。助かる。手、出して。」
帰り際にいつも、飴ちゃんをくれる。生徒に見つかるとまずいでしょ?って、ぎゅっと握らせる。
「飴ちゃんって、意外。」
初めてもらったとき、私はクスクス笑いながら、金沢先生にそう言った。
「なんかね、谷川先生にもらわれてくのは、飴ちゃんって言いたくなるんだ。」
「なんですか、それ。」
分かるような、分からないような、そんなことをたまに言う。でもなんだか少し、嬉しくて、気がつくと、ほんの少しそれを待つ自分がいた。
一瞬だけ触れる、ごつごつの手のひら。他の人とはちょっと違う渡し方。