触れる体温
でも、その飴たちは、先生の机にわんさかおいてある。のどが弱くて、すぐ声がガラガラになるから、なんだそうだ。

生徒にもたまにあげているのを見かける。吹奏楽部の春日さんや千葉くんが、ラッキーって顔しながら職員室を出ていくのをよく見かける。

私だけ特別、ではない。

大体、私なんか、大卒すぐの、何するにも心配になってしまう、大したことはできない年下の後輩の教員に過ぎない。

金沢先生は、私が尊敬してる、たくさんの先生の一人。

でも、ほんの少し、特別な存在の、一人。
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