舞う風のように

「俺は宮間だ。何かあったら聞いてくれ。」


宮間は、人のいい笑顔を見せた。






「今は、皆夕餉の時間だ。これからそこで君を紹介しよう。そこで、橘君にも会えるだろう。」


「分かりました。」



その言葉に笑顔で言葉を返す。


宮間も、そんな俺に安心したようにまた微笑んだ。









いつでも、如何なる時でも笑顔を絶やしてはならない。


どんな時でも、絶対に笑顔を忘れてはならない。




今までの人生で自分の心に、笑顔という蓋をする事を。本当の自分に、笑顔の仮面を被る事を覚えた。




笑顔でいれば、人はその内面には気付かない。


怪しまれない。




…それが、この世界で上手く生きていく術だと俺は思う。






< 11 / 68 >

この作品をシェア

pagetop