舞う風のように
正直、今の話が信じられない。
「…御所に火を放つと?あいつらは‥正気ですか?」
「あぁ、本気だ。」
小野寺は苦々しい顔で頷いた。
「…そうですか。会合場所は?」
そこが気になった。
いつものと言われたって分からない。
「池田屋だ。この事ではひとつ、説明するべきことがある。」
そう言うと、小野寺は一呼吸置いた。
「…つい先日、古高 俊太郎が新選組に捕まった。新選組の拷問は、特に鬼の副長と呼ばれる土方歳三の拷問は悲惨だ。」
そういえば、つい先日そのような話が小野寺から文で届いた。
「長州は、恐らく古高が情報を漏らすと踏んだ。だとしたらきっと、新選組はこの会合の防ごうとするだろう。…我らとしても、是非そうして欲しい。
だから、長州は逢えて裏の裏を掻こうとした。」