舞う風のように






正直、今の話が信じられない。




「…御所に火を放つと?あいつらは‥正気ですか?」




「あぁ、本気だ。」




小野寺は苦々しい顔で頷いた。



「…そうですか。会合場所は?」



そこが気になった。
いつものと言われたって分からない。




「池田屋だ。この事ではひとつ、説明するべきことがある。」



そう言うと、小野寺は一呼吸置いた。



「…つい先日、古高 俊太郎が新選組に捕まった。新選組の拷問は、特に鬼の副長と呼ばれる土方歳三の拷問は悲惨だ。」



そういえば、つい先日そのような話が小野寺から文で届いた。



「長州は、恐らく古高が情報を漏らすと踏んだ。だとしたらきっと、新選組はこの会合の防ごうとするだろう。…我らとしても、是非そうして欲しい。

だから、長州は逢えて裏の裏を掻こうとした。」



< 19 / 68 >

この作品をシェア

pagetop