年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
『元気そうな綾香さんの顔を見れてほっとしました。僕もまた頑張れます』


「由也くん……?」


 由也くんはにこっと笑って会釈したあと、スマイル乳業の社員と共にエレベーターに乗った。何だか寂しそうな笑顔、あの公園で見せた顔が重なる……。

 そのあと私もコンビニ担当者と話をした。春物商品で春をイメージした苺プリンや乳飲料の試供品を出して、納入価格などを説明する。そして話を終えたあと、スマイル乳業の動向を聞いてみた。


「スマ乳は大掛かりなキャンペーンやるみたいですね?」
「ん、そう。それがねえ、うちの販売本部からイチャモンが付いてね、秒単位でさばくレジでスクラッチを直接店舗で配布するのは難しいって。スマ乳さんの副社長来てたでしょ」
「はい。ロビーで会いました」
「直接販売本部に直談判しに来たんだよねえ」
「それで……」


 それで由也くんはあんな表情をしてたんだ。


「……」


 何かしてあげたい、由也くんに何か。そうは思うけど何も出来ない自分を情けなく思った。
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