年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
「由也くんこそ」
「前にも言いましたよね、ずっと綾香さんといられたら幸せだって一緒にいるだけで嬉しいって」
「そうだったね……」


 幸せって大きなことじゃない、こうして大好きな人と手を繋いで同じ景色を見る。同じ空気を吸う。そんな小さな小さなことだって。


「由也くん、ずっとずっと恋人同士でいよ? どこの夫婦よりも甘いあまーい恋人でさ」
「綾香さん……」


 握っていた手を一度外し、由也くんは互いの指を組むようにして恋人つなぎにした。相変わらず骨っぽい。こんな当たり前だったことがこんなにも幸せだったなんて。


「綾香さんは教会と神前、どっちがいい?」
「え?」
「せめて式は挙げませんか?、二人だけでも」


 私は驚いて由也くんを見上げた。諦めていた結婚式、由也くんはそう提案してくれた。
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