年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
今はいい。由也くんに奥さんが出来たらそんなこと出来なくなる。夜だってちゃんと帰らないといけない。
「小さいリボンが沢山付いたドレス、ああいうのが」
「だから膨張色は無理って言ったじゃんっ!」
「綾香さん?」
これから先、私が体調を崩せばその度に由也くんはやって来る。残業やしんどい接待の後でもやって来る。一緒に暮らしてればそんなことしなくて済むのにわざわざやって来る。今夜だって帰る。そしたら私はまた一人になる……。なら、最初から一人の方が惨めにならないんじゃないか……。
「じゃあ披露宴?」
「……」
「そうなんですね……」
由也くんはそう呟いてじっとしていた。