年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
「ん?」


 そんなある日のことだった。夕方、デパートに行くと由也くんの車が停まっていた。左ハンドルの欧州車、ナンバーも間違いない。


「ふうん。社用車が間に合わなかったのかな、珍しい~」


 お揃いの腕時計を見れば17時、直帰かもしれないと推測した。うちに来てくれたらいいなあ、私も直帰にしちゃおう、ついでに夕飯の買い物もしていこうかなと一人でムフムフとしていた。
 守衛さんに挨拶して裏手から入る。足取りはスキップに近い。扉を押して売場に行くと由也くんはいた。


「へ?、これまた珍しい」


 今日もスマ乳ジャンパーを着たスタッフを連れていたけど、女性だった。


「ふうん……」


 二人の後ろ姿しか見えなかったけど、女性というよりは女の子というか、まだ学生っぽく見えた。
 妙に由也くんとの位置が近い。由也くんは値札やポップを指差しながら彼女に話し掛けていて、彼女も逐一メモを取ってるようだった。初々しい雰囲気から実習生か新入社員だと思った。


「……」


 それにしても距離が近過ぎる。女の子の方から近寄ってるんだろうか、雑踏というかBGMとかで由也くんの声が聞き取れないからとか。由也くんの顔を見上げて、キスをせがんでるみたいに。

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