年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)
 笑顔の由也くん、見上げる女の子、絵になるなあなんて……。


「……」


 そりゃあ由也くんは御曹司だし、お年頃だし、社内には玉の輿を狙うコもいるだろう。誰にでも優しいし、怒ったりしないし。私という存在を公に出来ないから仕方ないけど、他の女性が由也くんの視界をチラチラするのはいただけない。


「な、なんか鼻の下が野比のび太だ……」


 それに由也くんも満更じゃないみたいだ。


「ああっ!」


 由也くんが彼女の顔を覗き込んだ。あれじゃあ由也くんが少し屈むか彼女が背伸びしただけで唇が触れてしまう……!!


「ちょっ、は、離れてよ、ごらあああっ! あ……」


 殺気を感じたのか彼女が振り返った。入店証のバッヂを付けた私に気付いた。その姿に由也くんも振り返る。目が合った。


「へ??」


 由也くんは慌てて私から視線を逸らして、彼女から一歩離れた。私に見付かったから離れましたと言わんばかりに。実はそういうキャラだったんだろうか、社内の女の子に手を出しちゃうチャラ男キャラ。御曹司であることをひけらかして副社長であることで圧力で迫る、みたいな。

 私が知らなかっただけなんだろうか、知らないところでこんなことを日常茶飯事……。


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