年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)


『由也……』


 息子の無事を確かめた父親は突然由也くんを抱きしめた。痛いくらいにぎゅうっと。酒臭い父親、でも嬉しかった。そして父親は酔いながらも望遠鏡から星を眺めた。木星と一列に並ぶ衛星、恒星ではない星が輝くのを父親も不思議に見ていた。


「ふうん」
「それから父は大きな望遠鏡を買ってくれて」


 でもそれからは友人に見せたくても出来なくなった。1台10万もする望遠鏡、壊されたら大変だからだ。


「でもいいの? うちに置いといて。お父さんに買ってもらった大切なものなんでしょ?」
「ええ。綾香さんのそばに置きたいんです。迷惑ですか?」
「ううん」
「あと星の写真や本も持って来ます。徐々に僕の部屋にしていきますから」
「あ、うん……」
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