年下彼氏はライバル会社の副社長!(原題 来ない夜明けを待ちわびて)


「由也くん? 怒ってる?」
「ううん。綾香さんが体調崩したのも気付かなくて、やっぱり僕は……」


 由也くんはお茶を入れるとソファに腰掛けた。


「……僕は何もしてあげられないって思うと情けなくて」
「そんなこと無いよ。倒れたの会社だし、鎌谷は病院まで付き添っただけだから」
「倒れた……? 綾香さん倒れたの?、倒れて運ばれたの??」
「あ……」


 墓穴を掘った。しまったとは思ったけど後の祭り、病気だと嘘ついても心配させるだけだから私は仕方なく倒れた経緯を話した。由也くんを失う夢を見るようになって2週間、睡眠が取れてなかった、と。由也くんは、そうでしたか、と呟いたあとはまた無言だった。床を見るように俯き、うなだれている。
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