しわくちゃになったら、会いに行きます。


 堀泉さんは、驚いたように顔を上げる。


 お兄ちゃんと堀泉さんの視線を受けながら、あたしは一生懸命言葉を紡いだ。




 「堀泉さんや、お兄ちゃんがついてますから。きっとその人、元気になりますよ。


 だって、まだ生きてるんですから」




 そうだよ。


 まだこの世界に居るじゃない。


 彰太くんみたいに『生きてる』わけじゃない。


 その思いが言葉になって吐かれると、知らず知らずのうちに涙が溢れていた。


 まだ生きてる。まだ、触れられる。


 零した涙は、頬を伝って握り締めたこぶしに落ちた。


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