しわくちゃになったら、会いに行きます。


 幸い場所はさっきと変わっていない。


 慌ててあたしは事務室まで走る。


 縺れる足でどうにかたどり着いて、そこの教員に件の内容を手短に説明する。


 事務員は女性で、協力を仰ぐとあたしに自分のコートを掛けてくれた。




 「大藤くんが……! 彼が危ないんです!」




 コートなんかいらない! それより大藤くんを助けて!


 あたしのせいで、彼は喧嘩に巻き込まれた。


 気がつくと、涙が溢れていた。


 駆けつけた先生と一緒に現場まで向かう。


 けれど、もう男たちの姿はなく、大藤くんが倒れているだけだった。


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