しわくちゃになったら、会いに行きます。


 それが純粋に嬉しい。


 彼が、ここに居る。


 ここで生きている。




 「朱里……ちゃん? ど、どうしたの!? やっぱり、失言だった?」




 気付かないうちに流れていた涙に、オロオロする彰太くん。


 あたしも、ちょっとビックリ。




 「嬉しいの。彰太くんが帰ってきてくれて、すごく嬉しい」




 頬を伝った涙を拭ってそう言うと、彰太くんもホッとしたみたい。


 もう一度その感触を味わうように、抱きしめられる。


< 197 / 211 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop