しわくちゃになったら、会いに行きます。
あたしは今まで溜め込んでいた心のもやもやを払拭するかのようにため息をひとつ。
お兄ちゃんも、信じられないというように目を見開いていた。
嶋木彰太。
お兄ちゃんたちが中学時代に所属していたバスケットクラブ。
地区で最強と謳われたファレノプシスソルジャー。
彰太くんは、そこでのお兄ちゃんの後輩だった。
そして、全国大会決勝戦の直後、命を落とした少年――
「あたし、引っかかってたの」
思い出して、言葉を投げる。
我に返ったお兄ちゃんの目を見据えて続ける。