SakuIGamE
「じゃあ、君はこれからもココで働くつもりなの・・・?」
「それは――・・・勿論、元の世界に帰りたいよ!みんなと一緒に!!」

秀くんは安堵したように息を吐くと、
「それが聞けて安心したよ・・・。すっかりこの世界を気に入って、永住を考えてたらどーしようかと」
「まさか!・・・でも今はまだダメなの。私は団長に恩返しをしないと・・・」
「恩返し、ね。そうするに値する人物なのかな?その人は」
「え?」

「実果ちゃん、こんな考え方も出来ないかな?団長は君を働かせる目的で競り落としたんだ。助けるためじゃない」
秀くんの真剣な眼差しが向けられた。

・・・そんな事、考えもしなかった・・・。
競りにかけられてて可哀想だと思われたから、買ってもらえたんだとばかり――・・・。
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