歪んだ愛しさ故に
 
「お待たせしましたー」


ようやく前のお客の会計が終わって、店員さんに促された。

助かった…と思いながら商品をレジの前に置き、会計を待つ。
気が付けば後ろにいた上沢さんの姿はなくて、ちらっと横を見ると、店員さんがもう一つのレジを開けたみたいでそっちで会計をしていた。


あたしは缶ビール数本におつまみ多々。
向こうはカップラーメンのみ。

だから当然のように会計が終わるのは上沢さんのほうが早くて、ちらっと横を見たら、すでに彼の姿はなくなっていた。


ほっと胸を撫で下ろして、店員さんからおつりを受け取ると
お財布にしまって、重たいコンビニ袋を手に取った。


あー最悪……。
ってか、もしかしてもしかしなくても、上沢さんってご近所なのかな……。


そんな嫌な予感を抱きつつも、コンビニの自動ドアを開けたところだった。



「お疲れ様」

「…っ」



もう完全にいなくなっていたところでの声掛け。

一瞬、心臓が跳ね上がった。
 

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