歪んだ愛しさ故に
「お…つかれさまです……」
最悪……。
どうしてさっさと帰ってないわけ?
あろうことか、人が終わるのを待ってるなんて……。
「もしかして、豊田さんってこのあたりに住んでるの?」
「あ……はい……。
上沢さんもですか……?」
「そー。すぐそこのマンション」
「……」
そう言って指差したのは、ここらでは結構高級なマンションで、
あーやっぱ出世クラスの人が住む場所は違うわ……なんて思った。
「ご近所さんだったんだねー」
「そうですね……」
ここに住み始めて、2年半。
上沢さんは中途採用の人であり、多分その日数を考えると、半年といったところだろう。
こんなにも近くにいたのに
今まで出くわしたことがないほうがすごかったのかもしれない。
「ってかさ……」
「はい?」
「お酒、飲めるんだね」