歪んだ愛しさ故に
「……」
にこっと微笑んだ目線の先は、コンビニ袋いっぱいの缶ビールたち。
(あれ?豊田さんはウーロン茶?)
(……はい。飲めないんで)
うわ……
あたしさっき、思いきり上沢さんにそう答えてなかったっけ……。
「あと、そっちが素?」
「あ……」
今度もっていかれたのは、あたしを上から下までじっと見つめる視線。
服装こそは、何も変わってない。
けど、髪をおろし、眼鏡を外し、
普通の人ならパッと見で分からないはず。
「超びっくりした」
「……はは…」
あたしの姿をもう一度じっくり見た後、何か含んだ驚きのリアクション。
そりゃ、そうだろうな。
あたしだってビックリだよ。
「よく、あたしだって分かりましたね」
「そのコート、見覚えがあったから」
「……」
ああ。やっぱ上着変えてくればよかった……。