弟系男子が『弟』をやめた時。
「…あ、まつげ長って言われて嬉しかった?」
「…」
心当たりがあるとしたら
その発言しかなかったしなぁ。
でも、眞樹原は常に女子からハーレムってるし
そんなことくらい慣れているはず。
もしかして、いがみ合いしかしない永澤に
珍しく褒められたから嬉しいんか?
「嬉しかったん?」
「…うっさい」
「ごめんね、特に深い意味は込めてないし
私は相変わらず眞樹原は嫌いなんだけど」
「黙れ」
とりあえず誤解が生まれないように
それだけは断っておくと
眞樹原は先ほどとうって変わって
冷めた目つきで見下ろしてきた。
「もう、お前帰れよ。
プリント整理し終わったから。」
眞樹原はきっと今私への好意がバレないように
ドキマギしながら話している。
嘘。ごめん。調子乗ったごめん。
眞樹原の手元を見ると、
確かに散らばっていたプリントは
全てホッチキスで閉じ終わっていて
後は高岡ちゃんに提出するだけになっていた。
「おー!終わった!」
「何もしてないよな永澤。」