嫉妬する唇
何度も角度を変え、繰り返されるキス。



だけどアイツは 、どれだけ経ってもそれ以上は進んでこない。





もっとその先も ………なんて、はしたない欲がフツフツと湧いてきて、



おねだりするように唇を少し開けると、呆気ないほどにアイツの唇が離れていった。




えっ………

もしかして引いた?





さっきまであんなに私を求めていたはずのアイツの意図が読めなくて、落ち着きをなくすあたしの心臓。







「面白くねぇ」




「………っ」





驚いて顔を見上げると、眉間にシワを寄せたアイツの顔。



「お前、誰にそんなエロいキス教えられたの?」



「……」



「お前がさっき俺のキス見て感じた感情と同じモノ、俺がどれだけお前に感じてきたと思ってんの?」





そう言って、あたしの左手を取り、小指に歯をたてた。
それは、甘噛みなんて優しいものじゃなくて、ギリギリと噛みきられるん じゃないかってほど強く。



痛みで咄嗟に手を引っ込めるけど、捕まれた手は振り払えなかった。




「お前の5番目のキスの相手にすらなれなかった俺の痛み、少しは知れ」




そしてアイツは視線をこちらに向けたまま、あたしの親指から順に指先に舌を這わせた後、ギリっと噛んでいく。
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