嫉妬する唇
はぁーっと大きなため息を吐く 今日一番デレッとした至近距離のアイツの顔。


だけど、そんなのあたしも同じなんだけどな ………








「お前さそれ無意識だろうけど今日からやめて」



今の今までデレッとしてたアイツの顔は、もうそこに甘さなんて1ミリも残ってなくて、代わりに現れたのは眉間の深いシワ。




だけど、あたしにはアイツの言ってる『それ』の意味が全然分からなくて首をかしげる。



「それって何のこと?」



「だから、お前のそのクセだよ。

お前さ、困ったときとか考え事してると無意識にそうやって指で唇なぞるんだよ」



「え………あ、そうなんだ」



言われてみれば、そうかもしれない。
別に意識してる訳じゃないけど、こうしてると落ち着く。



「お前がそうやって唇をナゾルと、そこに視線がいくだろ誰だって」



「うん。でもだからって、そんな事で不機嫌顔されるなんて、納得いかないんだけど」




「はぁ?まだ分かんねぇの?」



そう言ってムニュッとあたしの頬を一捻りする。

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