嫉妬する唇
ジンジン痛む頬を擦りながら「何するのよ」と睨み付けると、それに動じることもない涼しげな顔のアイツ。




「お前さ、中学校のときに野郎から『オーロラ姫』って呼ばれてたんだよ。知ってるか?」



「知らないわよ。どうせロクな理由じゃないでしょ」



正直、今ここで中学校の時のあだ名を知ったところで、何の脈略もない話のようにしか考えられないし、



アイツの意図したいことがさっぱり分からない。



回りくどい説明に、少しイライラしたあたしにすぐ気付いたのか、ポンポンと頭を優しく撫でるアイツ。



「まぁ、聞けよ。オーロラ姫が目覚める方法は?」



「王子さまのキスでしょ?」



頭を撫でられて機嫌がなおっちゃうあたし。

そんなあたしを見て、ニッコリ微笑むアイツ。




「そ。俺らみんなでお前のキスの相手に誰がなるかって盛り上がってた」


「なっ!何でそんな話になるのよ」



正直、あの頃みんなでバカやって騒いでた仲間にそんな風に言われてたなんて、酷くショックだ。



そんなあたしの心情を察してか、頭を撫でるアイツの手がいっそう優しくなる。



「まぁ、お前にとってはショックかもしんないけど、俺ら男からしてみればお前は最高の女だって称賛されてたってことだよ」

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