嫉妬する唇
「意味分かんない」



「お前の唇はさ、人工的に作られた唇じゃなくて、超一級の天然ものの唇だってこと。

昔からお前、グロスとか付けてないのに艶々でバラみたいにキレイな色の唇してたよ。健全な男なら、そんな唇見せられたら反応するの当たり前だろ」




「………」



確かに、ママ直伝の簡単唇マッサージを小さい頃から暇さえあればやっていたと思う。

おかげで女友達からも羨ましがられる血色のいい唇ではあったと思う。





それに、グロスや色つきリップのベタつき感とか人工的な臭いが苦手で、無色無臭なリップしか使ってなかった。





だけど、それは男子に媚びたいからって訳じゃない。

しかも、そんな昔のこと今さら掘り起こしたところで何の意味があるの?



知らなくて良かったことじゃない。




「お前いい加減悟れよ。今日この場にいるのは、どこのどいつ達だっけ?」




「………まさか。中学校の時の話でしょ?」




少し離れたところにあった顔がグッと近づいてきて、唇は耳元に寄せられる。
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