嫉妬する唇
「なに?その顔」



あたしの顔を見た瞬間、さっきまでの苛立ちがどこかに吹っ飛んでしまったように、口角をあげてニヤつくアイツ。




なぜか余裕なその顔。



それがまた腹立たしい。




「妬いてんの?」




「違っ!そんなわけーー」



「そんな顔して説得力無いね」





あたしの言葉を遮るアイツの言葉。


せめてアイツの唇にグロスでも付いてたら、この胸を押し退けて「ふざけないで」って言えるのに。




アイツの唇に他の女の名残なんて無くて……



あぁ、こうして見ると、男のわりにふっくらとした、キレイな形の唇なんだなぁなんてバカなこと思ったりしてしまう。



視線は唇から離れることができなくて、思わずその唇に手を伸ばしてしまった。
< 7 / 19 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop