嫉妬する唇
「もう!何なのよ。急にあんなトコ見せられて、平気なわけないでしょ。気づいた瞬間失恋したって、どんだけ凹んだと思ってるのよ!!
自分でも分かんない感情がグチャグチャにとっ散らかって……全部あんたのせいなんだから」
このくらい叩いたって男のアイツには、 堪えるはずなんてないんだけど、
今のあたしのモヤモヤグチャグチャした感情をこの拳に込めて外へ発散させないと、もっと酷いこと吐いちゃいそうで、思いっきりアイツの胸を叩いた。
アイツの反応が怖くて、ただひたすら叩き続けていると、不意に腕をつかまれる。
「お前、それって『好き』って言ってるとしか思えないんだけど」
捕まれた腕は、いとも簡単に頭上で固定されてしまった。
そんな些細な事でも、『あぁ、やっぱりあたしは女でアイツは男なんだ』って、今更ながら実感する。
グッと私との距離を詰めたアイツの顔は、息が鼻先にかかるほど近い。
「その涙は、俺のモノだって思っていいんだな?」