クレナイの歌
***


それからというもの放課後、岸辺は毎日のように彼女の元へ行っていた。


「あんた、また来たの?」

視線を合わせ、すぐ逸らす。
適当な返事を返して彼女の隣に座った。

特に意味があるわけではない。けれど朱里に関わりたいと思った。

「……相変わらず無愛想な男」

「お互い様」

ふんと彼女は鼻を鳴らす。
近くの彼岸花へ目を向けると、それをしばらく見つめ、ゆっくりと口を開いた。


「彼岸花って…、この紅時が1番綺麗に咲いてると思わない?……そして1番、この時間帯が私は好きなの」


夕焼け時のことだ。
赤く染まりゆく空を朱里は目を細めて眺める。


「そうか…?俺はこの時間帯が1番嫌いだけどな」

「ふーん、あたしと逆……」


“なんで”

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