クレナイの歌
そう言って、あの子は私に紅葉を差し出した。小さな手で。
『あのねあのね紅葉ってね』
彼女はに小枝を拾い、楽しげに“紅葉”という漢字を地面に書き出した。
まだ小さかった私にとっては、漢字を知っているということに驚き、感心した。
あの子は自慢げに、この漢字しかかけないけどねと可愛らしく微笑んだ。
『もみじっても読むんだよ』
『モミジ……もみじちゃんってコウヨウとおんなじなんだね!』
秋の良く似合う女の子だった。
紅葉とはたくさんたくさん遊んだ。
そしてたくさん救ってもらった。
この暮れないの時に…。
ただ懐かしい。
何度も何度も同じ記憶で溢れる。