クレナイの歌

結局朱里の行方は掴めなかった。
納得いかないまま日が暮れていく。

これ以上どう行動すればいいのかわからない。
溜め息が溢れる。重い。
彼はゆっくりと来た道を戻り始めた。


朱里の家はあの丘を挟み、自分の家とは真逆にある。そう遠いわけでもないがその間には線路があった。

来る時には電車が通ることがなく、すんなりと線路を渡れた。
しかし今、甲高い音が耳を劈くように鳴り出したのだ。


カンカンカンカン……。
カンカンカンカン……。


電車の来る合図。
遮断機が人々や車、皆を静止をさせる。

鳴り止まないその甲高い音に、だんだんと鼓動が速くなる。
冷や汗がつたう。電車の迫る音が二重の重荷となって彼を襲った。


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