クレナイの歌
「そうだったんだ……」
よく話してくれたねと、岸辺はそっと彼女の頭を撫でた。彼の瞳に少し霧がかかる。
「なんかさ、朱里がいつも悲しい瞳をしてたのずっと気になってたんだよね」
「してた?そんな目……」
頷く。
左手で自分の目を指し
「勝手だけどさ、俺と似てるなって……」
彼は寂しげな笑顔を向けた。
「え……」
朱里の表情が曇る。
服を握る手に力がこもった。
「何が…あったの?」
真っ直ぐ目を見て尋ねた。
私がこんなことを聞いても良いのかと不安に眉を下げながら、ごくりと唾を飲んだ。