クレナイの歌
この空気は何なんだろう。
いつからこんな話が出来るほど親密になっただろう。
不思議だ。しかし今はそんなことに気に止めていられない。
岸辺の瞳がさらに暗く重く、そして熱くなっていく。
涙は流れていないのに、まるで泣いているみたい。
「話して……?」
一体貴方は何を抱えているの?
ふっと目を瞑り、小さな声でありがとうと岸辺は呟いた。
「俺、弟いるんだ。……天国に」
朱里は黙って頷く。
岸辺は続けた。
「弟が死んだキッカケって俺なんだ」