クレナイの歌

***



荷を積んだトラックを見送る。

あの日から朱里とは会っていない。


学校にすら行っていないのだから当たり前か。

別れの言葉を告げて欲しいとは思ってない。

本当に彼女とは不思議な関係になったと少し懐かしげに感じる。

短期間の出来事だったはずなのに。

でもあの出来事があって、互いに何処か心持ちが軽くはなったんじゃないだろうか。

それだけを思っていた。


トラックが角を曲がって見えなくなると、改めて実感させられた。この地を離れるんだって。

あとは車に乗ってこの地を去るだけだ。

引越し先は他県らしい。遠くもなく決して近いわけでもない。



< 62 / 71 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop