モン・トレゾール
*
ブクブクとジャグジーが次々ときめの細かい泡を作る。
唇ギリギリのところまでお湯の中に浸かると、何度も瞬きを繰り返した。
一応、今日のことは謝ることは出来た。
だけど、パーティーに出てもいいって言われたから嬉しくて夢中で抱きついたのは良かったけど。
あんな夢をみたせいか、背中がベタつくくらい汗をかいてることに気づいちゃって、雑用でもなんでもいいからとかとてつもなく変なことを言っちゃった気がする。
それにしても……さっきの理の声、凄くエッチだった。
あんな顔で言われたら、私だって……
あー、もうダメよ、ダメ! このままだと、またのぼせてきちゃう。
パシャパシャとお湯をほっぺにかけると、ペチペチとそこを軽く叩いた。
「……」
火照った体をバスタブに沈めると、天井で蒸気となった滴(しずく)がポタッと額に落ちる。
彼と付き合うまでは、そういうことに関しては自分は淡白だと思っていた。
相手がしたいと言えばそれに従うし、例え自分がイケなくても相手が満足すればそれで良かった。
こんな風に、自分から男の人に抱かれたいなんて思ったことはあまりなかったのに。