モン・トレゾール
「本当に……ウソじゃないのよね?」
私は再度そう確認すると、戸田さんの顔をまじまじと見た。
「何だ? まだ疑ってるのかよ。くどい女だな」
「……くどいって、しょうがないでしょ? 何度騙されたと思ってるのよ!」
憎まれ口を叩いてるけど、私が首を縦に振らないと戸田さんだって梨花さんに会えないじゃない。
「もういい、時間切れ。アンタと飲んでても華がないし。それに、一緒に行く女は他にもいるしな」
私の煮え切れない態度に、ジャッジを下す戸田さん。
「待って!! ……い、行くわよ」
なんかとんでもなく失礼なことを言われてるけど、そこは目を瞑らないと。
「その代わり絶対教えなさいよ! ウソでしたなんて言ったら許さないからね」
脅すような言い方でそう吐き捨てると、戸田さんに向かって指を差した。
「……単純な女」
ボソッとそんなことを言われてるとは露知らず。
私は戸田さんの握っている秘密に不安と期待が入り混じった状態で、そそくさと自分の仕事へと戻った。