淋しいお月様
「うわあ、凄いお弁当!」

午後5時からの、お昼休憩1時間に入ったところ、休憩室でユアさんと一緒になった。

「今日も休憩一緒だね。ご飯にしよう」

笑顔でそう誘われ、私たちは同じ席に座った。

そして、セイゴさんが用意してくれたお弁当の、蓋をあけるとほんと、凄いお弁当だった。

「それ、スヌーピー? 可愛い~。凝ってる~」

ユアさんが歓声をあげたほどの、スヌーピーのキャラ弁だった。

ご飯の上に海苔で目とか鼻をかいてある。

背景を飾るのは、森のような緑の野菜。ブロッコリーにレタス、アスパラガスといった感じだ。

セイゴさんってば、いつの間にこんなもの作ったのだろう。

ほんと、器用なひとだな。

「星羅ちゃんってば、やればできるじゃない~。自炊しないとか言ってたけどさ~」

「う、うん……あはは」

まさか、セイゴさんが作ったとは云えない……。

セイゴさんって、誰? という話になってしまう。
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