お姉ちゃんの憂鬱

帰りの新幹線は行きとは違い、寝静まった車内となった。

さすがにみんな疲れたんだろう。


あたしの隣の席には直くん。

みんなが寝静まる中、一番に寝付くだろうと思っていた直くんの目はばっちり開いていた。




「直くんは眠くないの?」

「昨日の夜たくさん寝たので眠くないです」



朝メグに聞いた話だと、あれだけ修学旅行中夜更かしを楽しんでいた直くんが、最終日だけぱったり寝てしまったらしい。

そしてその分朝はちゃんと起きていたということも聞いた。



ちゃんと睡眠時間を取れば早起きも可能らしい。

なんとも素直な構造だ。


あたしも昨日は自主研修で暑い中歩き回ったおかげが、迫りくる睡魔に勝てずに死んだようにぐっすり眠った。

おかげで今日もそれなりに元気だ。



隣を見ると、お揃いで買ったストラップをじっと見つめる直くん。



「どうしたの?そんなに嬉しかった?」


「はい。すごく嬉しいです」



直くんは表情にこそ出ずらいが、とても素直に感情を吐露してくれる。


なんで今までこの素直で面白い彼に気づかなかったんだろう。

教室で一人静かに座っている直くんがこんな人間だとは思ってもみなかった。





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